Windows Vista(ウィンドウズ ビスタ)はWindows XPの後継としてマイクロソフトが2007年1月(ビジネス
向け版は2006年11月)に発売予定のパーソナル・コンピュータ向けのOS。開発初期時のコードネーム・
Longhorn(ロングホーン)という名称でも知られている。
概説
正式名称は「Microsoft Windows Vista」。“Vista”という名称はマイクロソフトによると“眺望”(イタリア
語)という意味を持つとされている。(英語では複数の意味を持つ)公式見解では、「混乱を解消し、あふ
れる情報を整理し、未来を垣間見せる」とのこと。次期OSの名称が発表されたとき、賛否両論が飛び交
った。
内部バージョンはWindowsNT6.0。Windows XP(内部バージョン・Windows NT 5.1)の発売(2001年11
月)から5年ぶりのリリースである。しかし前々世代OS・Windows 2000(内部バージョン・
WindowsNT5.0)のマイナーチェンジと言えるXPはGUI以外の主要機能がWindows 2000と殆ど変わらな
かった事もあり、実質的には七年ぶりの(メジャー)バージョンアップと言えるだろう。
MicrosoftはWindows 2000以前、ほぼ4年サイクルでのメジャーバージョンアップ実施していたが、様々
な事情によりXPリリースから過去例を見ない期間OSの新バージョンをリリースできなかった。この為
Vistaには多くの新機能をユーザーへ提供しなければならなくなった。このプレッシャー故か、当初2004
年度発売とも言われていた発売は2005年度へ、さらには2006年冬へ延期となり、更に一部の新機能
搭載を見送り、家庭用向けバージョンリリースを2007年1月へと再延期し、ようやく予定通りリリースする
ことを決定した。
新機能について
Windows Aero
新しいユーザーインタフェース。そのうち上位版のAero Glassは3Dグラフィックを使用し、ウィンドウを透
過したり立体的に傾けるなどの視覚効果が可能で、従来のWindowsのインターフェースに比べて高度な
グラフィック描画能力が必要なため、ゲーマーでなくてもハイスペックなビデオカードが必要になる(とは
いえ、最近二年程度に発売された中堅クラスのGPUが搭載されていれば、たいてい問題なく動作す
る)。Aero GlassはStarter Edition及びHome Basic Editionには含まれない予定。
Intel GMA950のグラフィックスを基準としているようである。
Windows Presentation Foundation (Avalon):新しいグラフィックサブシステム(Windows XPへも提供さ
れる)
Windows Communication Foundation (Indigo):新しい通信サブシステム(Windows XPへも提供され
る)
操作性そのものの見直し
スタートメニューの表示方法やフォルダウィンドウの操作性など、従来に比べて大幅または若干変更に
なっている箇所がある。
Windows Internet Explorer 7 in Windows Vista
Low-Rights IEによるセキュリティ対策の向上、CSS2やアルファチャネルPNGへの対応、タブブラウザ機
能や、RSSが謳われている。IE7自体はWindows XP SP2用の版も公開されるが、特にLow-Rights IEは
Windows Vistaでしか利用できないとしている。
日本語環境の充実
JIS漢字コードのJIS X 0213:2004 (JIS2004)対応と、新デザインの日本語フォント「メイリオ」搭載
新たな音楽機能
新音楽サービスURGEに対応し、より洗練されたUIの「Windows Media Player 11」を搭載(Windows XP
へも提供される)
新たなエンターテイメント機能
Xbox Liveに標準対応し、次世代DVD規格ではHD DVDのみを標準サポートするなどマイクロソフトの他
製品と絡めた戦略が見られる。余談だが、マイクロソフトはこのHD DVD技術を全面的に支持しており、
Windows Vistaでは標準搭載される予定。
セキュリティ対策
既存のパーソナルファイヤーウォール機能に加えてスパイウェア(悪意のあるソフトウェア)を検出・削除す
る機能、データの暗号化(上位エディションのみ対応)、保護者による子供のパソコン利用規制機能など
が追加・強化されている。
サイドバー
サイドバーには「ガジェット」と呼ばれるミニアプリケーションを利用でき、電卓、時計などの良く利用する
機能や、天気やニュース等の情報をシームレスに入手し、表示するための機能。
Windows Liveにネイティブ対応。
以下の機能は、開発の大幅な遅れにより初リリースでは搭載されない。MicrosoftはこれらをSP1以降
で提供するとしている。
使用されるAPIがWin32 APIから.NET Framework 3.0(WinFX)主体へ変更されるとしていた。しかしなが
ら、Win32主体に計画が変更された。
以下の機能は搭載されない。
WinFS:データベース管理システムをファイルシステムと結合することで、より柔軟で高速なファイル・リ
ストの表示、検索、管理が可能になる。当初はマイドキュメントに相当する部分でのみ提供する予定だっ
た。代わりにSQL ServerやADO.NETで採用されることになった。
エディションについて
Windows Vistaは、世界市場向けに5エディション、地域市場向けを含めて合計8エディションが予定され
ている。日本では世界市場向けの5エディションが発売される。Starterを除くエディションでは32bit版と
64bit版の両方が提供される。ビジネス向けのエディションは2006年11月、一般家庭向けのエディション
は2007年1月発売が予定されている。
Windows Vista Home Basic
家庭向け下位版。Windows XP Home Editionの後継製品。Internet Explorer 7、Windows Media
Player 11が提供される。またセキュリティ性の向上が図られ、基本的な機能は提供されるがAero
Glassは提供されない。一般的な消費者か、ロースペックPCを利用するユーザーを対象としている。
2006年10月26日発表時点(以下同)での国内通常版参考価格は27,090円。アップグレード版参考価格
は14,490円。
Windows Vista Home Premium
家庭向け上位版。Windows XP Media Center Editionの後継製品。Home Basicの機能に加え、Aero
Glassやデータ保守の機能、タブレットPC機能が提供される。また、ビジネス向けエディションにはないメ
ディアセンター機能(HDTVやDVDオーサリング)も提供される。一方、ドメインの参加には一定の制限が
加えられる。パソコンの利用が特にメディア関連となるユーザーを対象にしている。家庭利用ではこちら
が標準となることが推測される。国内通常版参考価格は31,290円。アップグレード版参考価格は
20,790円。アカデミック版アップグレード版参考価格は18,690円。
Windows Vista Business
ビジネス向け下位版。中小規模の企業ユーザー向けでもある。Windows XP Professional、
Professional x64、Tablet PC Editionの後継製品。Home Premiumと比べ、ドメインの制限は撤廃され、
リモートデスクトップやデュアルプロセッサ、IIS、P2Pでのミーティング機能等が提供される。一方、メディ
アセンター機能は提供されない。一般企業のユーザーを対象としている。プロダクトアクティベーションが
必要であり,またボリュームライセンスで購入する場合にも「Volume Activation 2.0」と呼ばれるパッケ
ージ版とは異なる仕組みのアクティベーションが必要になる。国内通常版参考価格は39.690円。アップ
グレード版参考価格は27,090円。
Windows Vista Enterprise
ビジネス向け上位版。大規模なグローバル企業向けでもある。Windows XP Professional、
Professional x64、Tablet PC Editionの後継製品。Businessの機能に加え、Virtual PC、多言語対応、
高度なセキュリティ機能、UNIXベースのアプリケーションを実行できる機能などが提供される。企業での
情報処理技術者を対象としている。一般販売はされず、マイクロソフトとのソフトウェア契約を締結したユ
ーザのみに提供される。こちらもプロダクトアクティベーションが必要となる。
Windows Vista Ultimate
家庭向け・ビジネス向けの全機能を搭載した最上位版。Home Premium、Businessの機能に加え、ゲー
ム環境への統合機能が提供される。またエンターテイメント関連の各種サービスも提供される予定であ
るが、詳細は未定。ハイエンドのヘビーユーザーやパソコンゲーマーを対象としている。国内通常版参考
価格は51,240円。アップグレード版参考価格は33,390円。
地域市場向けに、以下のエディションも予定されている。
Windows Vista Starter
発展途上国向けの低価格、機能限定版。Internet Explorer 7とWindows Media Player 11は提供される
が、それ以外のほとんどの新機能は提供されない。また、同時に起動できるウィンドウ数やネットワー
ク、画面解像度、最大メインメモリといったOSの主要な機能に対して大幅な制限が加えられる。32bit版
のみのリリース予定。
Windows Vista Home Basic N
Windows Vista Business N
独占禁止法に抵触しないために、欧州連合 (EU) で発売されるエディション。Windows Media Player 11
などのメディア機能が搭載されない。
ベータ版の取り扱いについて
従来MSDNなどの使用者のみβ版を試用できたが、2006年6月8日よりMSDNを利用していない一般ユ
ーザーでもCPP(カスタマプレビュープログラム)を通してβ版を試用できるようになった。ただし、マイクロ
ソフトはメインで使用する環境への導入を推奨していない。 現在このβ版の配布(ダウンロード)は終了
しており入手することはできない。ほかにもWindows XP/2003向けにWinFX、Avalon、Indigoのβ1がプ
レリリースされている。
2006年6月8日から配布されたベータ2を使用しているユーザーは、先着10万人限定で2006年8月31日
より、RC1の一歩手前の「Windows Vista pre-RC1」 の配布が開始された(こちらも終了)。
また、Release Candidate 1ではインターネットだけの配布に留まらず、Windows NT 3.5やWindows
2000のようにコンピュータ雑誌に添付して広く配布中。
Windows XPからのアップグレードについて
マイクロソフトはWindows XPがプリインストールされた一部のパソコンについて、Windows Vista
Capable PCというロゴを用意し、ロゴシールの筐体貼付を許可している。これは、Windows Vistaにアッ
プグレードできる要件を満たしているというマイクロソフトの保証と言える。 しかし、β版の使用検証報告
から、このロゴ付きPCでは確かにWindowsVistaのアップデート(導入)は可能だが、スペックが追いつか
ず、実用上快適に動かす事は難しいのではないかという説も存在しているが、RC1(Release
Candidate、製品候補版)ではだいぶ改善されたという意見がある。
なお、マイクロソフトが現在公示しているWindows Vistaの動作に必要な最低システム構成は次の通り
である。
800MHzのプロセッサ
512MBのメモリ
20GBのハードディスクで、空き領域が15GB以上あること
また、Windows Vista Premium Ready PCと呼ばれるものも存在しており、こちらはWindows Vista
Ultimate Editionが利用可能な環境に与えられる。但し、Premium Readyのロゴシールはない。
Premium Readyに準拠した環境は次の通りである。
1GHz以上のプロセッサ
1GB以上のメモリ
Aeroに対応したグラフィックプロセッサ(DirectX 9対応でビデオメモリ128MB以上搭載、かつデバイスド
ライバがMicrosoft Windows Vista Display Driver Model(WDDM)に対応していること)
40GB以上のハードディスクで、空き領域が15GB以上あること
DVD-ROM搭載
オーディオ出力
インターネットに接続可能
また、利用しているPCがWindows Vistaに対応しているかどうか確認できるアプリケーションのベータ版
がマイクロソフトから配布されている。Microsoft Windows Vista Advisor RC (英語) 2006年10月26日か
らPCベンダーおよびDSP版のアップグレードキャンペーンをはじめた。但し、Windows XPのエディション
によってはアップグレード料金がバラバラであり注意が必要である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』